戸籍の種類|最古の戸籍とは

家系図に興味を持ち「作ってみたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。家系図作成には「ご先祖の戸籍」を取得する必要があります。最古の戸籍と廃棄された戸籍は取り戻せるか?などを紹介します。

最古の戸籍とは

明治政府が初めて全国的に実施した戸籍制度で、明治5年(1872年)から作成された戸籍があります。

編成年の干支が「壬申」であったことから「壬申(じんしん)戸籍」と呼ばれています。

1-1壬申戸籍の特徴

全国統一の戸籍: 江戸時代の宗門人別帳とは異なり、身分に関わらず国民全員を居住地で登録しました。
戸を単位: 戸主を筆頭に、家族構成や身分などを戸単位で登録しました。
詳細な情報: 氏名、年齢、戸主との続柄、婚姻状況、職業、土地の所有など、詳細な情報が記載されていました。
差別が残る記録: 被差別部落出身者については、「新平民」「元穢多」「元非人」などの記載が残っており、当時の社会状況を反映しています。

1-2壬申戸籍の意義と課題

近代国家の基礎: 壬申戸籍は、国民を把握し、統治を行う上で重要な役割を果たしました。
差別問題: 被差別部落に関する記載は、現代においても差別問題として議論されています。
プライバシー問題: 個人に関する詳細な情報が記録されているため、プライバシー保護の観点からも慎重な扱いが求められます。

1-3現在の状況

閲覧制限: 壬申戸籍の閲覧は、差別問題やプライバシー問題を考慮し、昭和43年以降は原則として禁止されています。
歴史研究の資料: 歴史研究者にとっては、当時の社会状況を解明するための貴重な資料となっています。
壬申戸籍は、日本の近代化を象徴する一方で、差別問題やプライバシー問題など、現代にも影響を与えています。

戸籍の変遷の中で現在取得できる最古の様式は?

2-1現在取得できる最古の様式は?

明治19年式戸籍
戸籍の変遷の中で現在取得できる最古の様式は「明治19年式戸籍」です。

明治19年式戸籍には、一部空白の部分がありますが、これは「族称欄」と呼ばれる「士族」「平民」といった記載があった場所で、身分差別廃止の観点から現在では白く塗られています。

2-2明治19年式戸籍の主な特徴

孫やひ孫、兄弟の妻や甥姪、その子どもなど、多くの家族が記載されています。
出生、死亡、結婚、離婚、養子縁組などの事柄が記載されています。
失踪者の帰還、家督相続の変更、族称の改称などが記載されている場合があります。
住所欄、事項欄、戸主の表示欄、前戸主欄、父母及び父母との続柄欄、戸主の氏名欄、出生年月日欄、家族の名欄、戸主との続柄欄が設けられています。

廃棄された戸籍を取り戻すことはできるのか?

一度廃棄された戸籍を完全に復元することは、一般的に困難です。
戸籍は、個人の身分に関する重要な記録であり、一度廃棄されると、原則として復元することはできません。

3-1なぜ廃棄された戸籍を取り戻せないのか?

情報消失: 廃棄された戸籍は、物理的に破棄されるか、デジタルデータとして消去されるため、元の情報を取り出すことが非常に困難です。
プライバシー保護: 個人情報保護の観点から、廃棄された戸籍を無制限に保存することは認められていません。
保存期間の規定: 法律で定められた保存期間を超えて戸籍を保存することは、原則として認められていません。

3-2代替となる手段はあるのか?

他の戸籍の確認: 廃棄された戸籍に記載されていた人物が、他の戸籍に記載されている場合があります。
市区町村への問い合わせ: 廃棄された戸籍に関する情報が残っている可能性がありますので、お住まいの市区町村の役所へ問い合わせてみてください。
民間の家系調査会社への依頼: 専門的な知識や経験を持つ民間の家系調査会社に依頼することで、情報収集を代行してもらうことができます。

3-3注意点

費用がかかる場合がある: 民間の家系調査会社に依頼する場合や、古い戸籍を調査する場合には、費用がかかることがあります。
時間がかかる場合がある: 戸籍の調査には、時間がかかる場合があります。
必ず情報が得られるとは限らない: 廃棄された戸籍の情報がすべて残っているとは限らないため、情報が得られない場合もあります。